釣り広告って普通なの?SUUMOの物件見て不動産屋いったら、別の物件案内されたんだが。

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釣り広告って普通なの?SUUMOの物件見て不動産屋いったら、別の物件案内されたんだが。

SUUMOの物件見て不動産屋いったら釣り広告だった件

あれはたぶん、3年ほど前のことです。

引越しをしようと思ってSUUMOと言う不動産情報サイトで部屋を探していると、明らかに他と違う物件が目に止まりました。

その物件は周辺の物件と比べると家賃が1万円ほど安いにも関わらず、間取りや設備は周辺の物件と同等と言う明らかに不自然な物件でした。

ですので半信半疑ではありました。事故物件?それとも、掘り出し物か?

分かりません。

私はサイトから予約をして不動産屋に行ってみることにしました。

不動産屋は駅からほど近い場所にありました。おきまりのガラス張りの店内は外からも中がよく見えます。

「いらっしゃいませ、お待ちしておりました。こちらへどうぞ。」中へ入ると男の声でそう呼びかけられました。

カウンター席へ私が座ると名刺を渡され丁寧な挨拶がありました。

彼の改まった挨拶に少し気後れする自分がいましたが、これではいかんと自分で自分の背中を押して、事前に印刷しておいた物件の資料を取り出しました。

「こちらの物件を見て来たのですが・・」私は緊張した面持ちで資料を男に見せました。

「確認いたします。」そう言って営業の男は机の上にあったデスクトップパソコンを使って何かを調べ始めました。

2分経ったくらいです。

「申し訳ございません。少々お待ちいただけますか?」男が唐突に口を開きました。

「はい・・。」私がそう返事をすると男は席を離れ、店の奥へと進んで行きました。

店は狭く、静かだったので彼らの動きや音がこちらにも分かりました。

「実はこの物件なんですけど・・・」男は後ろで上司らしい着古したスーツの男と会話を始めました。

「ん?、ああ、、その物件は、ない。」上司らしき男が小声で言います。

「えっ?でも、これを見て来られたって・・・」男の困惑がこちらにも薄っすらと伝わってきました。

「いや、だから、、、ほら。これ、そういう、広告だから。・・・別の紹介してあげてくれる?」上司の男が小声で言います。

「分かりました。」男はそう小さく言って、私が座っている場所へ戻ってきました。

一部始終を聞いていた私は彼ら同様に理解しました。あの物件と広告は偽物で、店に招き入れるための作戦だったということを。

男が釈明を始めました。

私はどうしてそう思ったのか分かりませんが、何も聞いていないふりをすることにしました。

「実はこの物件なのですが、」残念そうな顔でこちらを見ながら男が言います。

「今、確認させていただきましたところ、物件の方が既に決まってしまった形となっておりまして、、、」

「ご案内は出来かねるのですが、別の物件をご案内させていただいてもよろしいでしょうか・・?」営業の男はそう言って広告のことをやすやすと誤魔化して見せました。

「お願いします。」私は疑いの目を向けて感情のない言葉で答えました。

不信感を抱きながら男の挙動を観察していると、

「このようなのはいかがでしょう?」そう言ってプリントアウトした資料を2枚私に見せてきました。

「こちらの物件、ご予算よりも少し上にはなってきますが駅近でご希望により近いのではないかと思います。」男はこの提案が素晴らしいものと確信している表情で私に迫ってきました。

男の暑苦しい熱気に当てられて、資料を確認すると、実に見当違いの物件がそこにはありました。

下手に出たのが間違いだったのかは分かりませんが、押せば落ちるカモだと思われているようなそんな気がしました。

「他にはありませんか?」「〇〇の条件ではありませんか?」そう言って私は店を出たい気持ちと格闘しながら再度要望を伝えました。

「かしこまりました。」男は困った表情で私を見つめながら、またパソコンを操作し始めました。

2分ほどたったくらいで、「こちらはどうでしょう?」そう言って男が2件の物件資料を提示してきました。

確認すると、どちらも予算ぎりぎりを攻めてきた微妙な物件で割安感はありませんでした。

これ以上粘ってもしょうがないと思って、私は帰ることにしました。

「もういいです。」私がそう言って席を立つと営業の男が少し慌てて、

「少々お待ちいただけますか?」

「もう少しお調べさせていただいても・・。実は、我々不動産関係者しか見ることが出来ないサイトがありまして。」

そう言って営業の男は立ち去ろうとする私を引き止めてきました。

含みを持たせた言い方をしていますが、私は別の不動産屋でもその文句をなんども聞いていましたので、特に響くものはありませんでした。

それでも、最後の最後に出してくる物件は掘り出し物の可能性もあるかもしれないと私は一旦席に戻りました。

営業の男はほっとしたのか、また落ち着きを取り戻しゆったりとしたこちらを焦らすような雰囲気でパソコンでかちゃかちゃと調べ出しました。

様々な心理的なテクニックを使って私を絡めとろうとしているのが、透けて見えました。

「こちらの物件はいかがでしょう・・?」

調べ終わったのか営業の男が私に資料を見せてきました。

結果から言うと、それはネットに乗っている物件と同じでした。

そして男はその物件のセールスを始めました。

「どうでしょう?」「もしよろしければ、実際に見に行ってみませんか?」

特に悪い物件ではなかったので、敷金・礼金の話を持ち出してみました。けれど、そこに関しては何もありませんでした。

ここは、無い。そう思って私は帰ることに決めました。

「一旦帰って考えたいので、また後日連絡させてもらいます。」私はそう言って虚偽広告を見て訪れた不動産屋を後にしました。

結局、この日は釣り広告に釣られて不動産屋で消耗した一日となりました。

え!?お前らも釣り広告なの?

2件目の不動産屋も釣り広告だった件

あれから少したった頃、気力が回復したのを見計らって私は別の不動産屋に行くことにしました。

店内は狭くシンプルではありましたけど、にぎやかで活気がありました。

私は不動産情報サイトで見つけた物件の資料を案内してくれた男へ今回も渡しました。

「これですか・・。なるほど・・。確認します。」見るからにベテランの営業の男はそう言って部下に確認を取らせました。

「ちょっと・・」そう言って部下の男がベテラン営業の男を店の後ろへと促しました。

男が席を立ちました。

店内は活気があり賑やかではありましたが、やはり狭いので彼らの声が耳に入ってきます。

「これ、、ないです。ないやつです。」うっすらと聞こえたのは部下の男の声でした。

話が終わるとベテラン営業は渋い顔つきで堂々とこちらへ戻ってきました。

「こちら持ってきていただいた資料の物件なんですけど、」席に着くなり男はそう話し始めました。

「・・・はい。」私は男の顔を見て神妙な顔つきで相槌を打ちました。

「申し訳ないですけど、ないです。」男は続けてそう言いました。

「・・・ないんですか?」私は後ろのやりとりが聞こえていないふりをして聞き返しました。

「まあ正直こんな物件、そうそうないですよ。」男は物件がない事を正当化しはじめました。

私が残念そうに男の顔を見ていると、続けて話しはじめました。

「もしかしたら知ってるかもしれないですけど、これ実は釣り広告です。」

「・・・釣り広告。」私がつぶやくように言うとまた、被せるように男の話が始まりました。

「まあ、他の店舗にも行かれてたら分かるかも知れませんが、うちだけじゃくて、どこもやっています。」男はそう言ってこの不正広告が不動産屋の商習慣であるかのように私に言って聞かせました。

「それってダメなことですよね?」と言いそうでしたが、いつもの「まあどうでもいいや」の精神が登場して、

「へ〜。・・・そうなんですね。」そう言って私はまたその場の流れに身を任せてしまうのです。

悪貨は良貨を駆逐する。不動産情報サイトはきちんと情報を精査しているのでしょうか。

「もし、少しお時間あるなら他の物件お調べしますけど、どうされます?」ベテラン営業の男が私に聞いてきました。

前回あんなことがあったので全く期待していなかったのですが、まだ帰るのは少し早い気がして、とりあえず今回も探してもらうことにしました。

「それじゃあ、お願いします。」私はあっさりと、そう答えました。

「どのあたりで、家賃どのくらいで考えてます?」ベテランの男が私を試すように聞いてきました。

なんとなくの空気感というかその場の流れで少し妥協して弱気になりそうな私でしたが、そこをグッとこらえてなんとか自分の希望は伝えました。

「なるほど。ただ、このあたりでその感じだとほとんど無いですけど、調べてみましょうか?」そう言って少し高圧的に言いながら私をまた試してきました。

「はい・・。」私は弱気になりました。

少しして、ベテランの営業の男が資料を持って私の席の前に戻ってきました。

「こちらの物件になるんですけど、家賃的には共益費込みでまあ、この感じです。正直、この条件でこれ以上のはなかなか無いです。」

資料をみると、偶然にも私が今住んでいるマンションの別の部屋がそこに記載されていました。

私が住んでいたマンションは部屋ごとに大家が違っており、そのため同じマンションの同じ階でも家賃が違うことがありました。

そのため、もし今より安い賃貸価格の物件を見つけた場合、実際家賃が減額出来るかは別として管理会社や大家さんと交渉して家賃を安くしてもらえる可能性がありました。

仮にもし家賃の減額が無理だった場合は、初期費用はかかりますが新しく賃貸借契約を交わして引越す事で月々の家賃を安くすることが出来ます。

こういう背景があるので同じ物件というのは結構、掘り出し物だったりします。

しかしながら、提示された資料の物件は現状と全く同じ家賃、そして階も今より下でした。

これでは引越す意味がありません。幸い、今の物件がそこそこ優良なことはこれで分かりました。

私は今この資料のマンションの別の階に住んでいて、家賃が同じこと、そして特になければこれより下の条件では引越ししないことを男に伝えました。

「家賃ってこれより下がります?」営業の男に私は質問しました。

「いや、家賃はこれ以上下げられないです・・。」ベテランの営業の男は言いました。

私はこの物件に関してはここの不動産屋は交渉力が無い、もしくはその努力をしたくないと彼らは思っている。そう判断しました。

「もう他に無い感じですか?」私は遠慮なくそう尋ねました。

「そうですね、、、あっ、、あの物件ってどうなった??」ベテランの営業の男が部下を唐突に呼び止めました。

「ちょっと調べてくれる?」ベテランはそう言って部下に支持し自分も何かを調べるため店の奥へ下がっていきました。

不思議なことに気がつくと相手のペースが崩れて、いつのまにか私のペースになっていました。

「まだ、改装中の部屋にはなるんですけど、、あっ、資料ありがとう。こちらです。」そう言ってベテラン営業は席に戻ると私に資料を渡しました。

「敷金礼金込みでこの価格です。場所的には少し駅から離れますが、いかがでしょう。」

提示された物件はこれまで見たことのない、とても良さそうな物件に見えました。

ただ、改装中と言うのが少し引っかかって、私は迷いました。

「部屋って見せてもらうことできますか?」かなりの優良物件なのは間違いなかったのですが、正確な場所と周辺環境は確認しておきたかったので私はそう尋ねました。

「はい。」「えっと、そしたら車出してくれる・・?」後ろを振り向きながらベテラン営業の男は部下にそう伝えました。

店の前に車が到着したので車に乗ります。

5分ほど走ったところで目的の物件に到着しました。想像していたよりもかなり細身のマンションで「え!?これ!?」と内心焦ったのを思い出します。

この外見からしてエレベーターはないだろうなとは思いましたが、やはりありませんでした。

5階建ての4階の角部屋が今回の物件でしたので、エレベーターがないのなら2階くらいだと嬉しいなとその時思いました。それでもまあ、とりあえず部屋を見なければということで、営業の男と中へ入ります。

中へ入ると窓から差し込む光が私たちを照らしました。これは外からでは分かりません。日当たりは十分です。

部屋はまあ改装中なので、壁紙も床板も貼られてないし、エアコンもまだ設置されてはいないのですがいい雰囲気なのはすぐに分かりました。

周辺にコンビニもありましたし駅からは少し離れてはいますが、徒歩圏内ですし悪くない所のような気がしました。

でもどうしてこの部屋がこの価格なんだろうと不思議に感じましたが、改装中であるというのが一つの要因かなとそのときは思い込むことにしたような気がします。

物件の見学が終わり部下の男と不動産屋に戻るとベテラン営業が迎えてくれました。

「どうでした?」私に媚びるようなそぶりを一切見せることなく男は聞いていきました。

「まだ、改装中であんまり言えないですけど日当たりもいいですし、良かったです。」私は思ったことを素直に伝えました。

「そうですか。・・・。どうだった?」ベテラン営業は部下に聞きます。

「いや、良かったです。すごい、眺めもいいし、こんな物件あるんだなって・・。」部下の男は少し緊張した面持ちで答えました。

実際、私も部屋に入ってみるまでは景色がいい雰囲気なんて全く感じなかった訳で、彼の言っていることは私も感じたことでした。

「どうします?・・もっと別の部屋探してみますか?」ベテラン営業が私に尋ねました。

「いえ、ここにしようかなって思ってます。」私は不安もありましたがうまってしまう可能性もありましたので、そう答えました。

賃貸物件は早い者勝ちなところがあって、優良物件から基本売れていきます。ですので、ここだと思ったら思い切って飛び込む。それがいいのか悪いのか分かりませんが、私はそうするようにしています。

「かしこまりました。そうしましたら、こちらの物件で手続きの方進めさせていただきます。」そう言ってベテラン営業は後ろへ下がってまた忙しく動き出しました。

結局その日、賃貸借契約を交わすことになりました。鍵は改装が終わった翌週に渡すとのことだったので、引越しは1ヶ月ほど先となりました。

その間に転出届や水道、ガス、電気や諸々の手続きと引越しの準備を進めました。

1ヶ月後、不動産屋から改装が終わったとの連絡がきたので私は鍵を受け取りに行きました。

改装が終わった部屋を見に行くと、床と壁紙が張り替えられており、ちゃんと綺麗になっていました。バスルームはクリーニングが行われただけのような感じで、以前見に言った時と比べて大きな変化はありませんでした。エアコンも設置されていました。

今から思うとあのときは掘り出し物を見つけた感覚でしたが、もしかすると事故があって改装中だったとか・・・。普通にあり得る話ですよね。

今はもう住んでないので言えることですが・・。

最後になりますが、やっぱり不正広告はダメだと私は思います。見ている人を騙して来店させるのは真面目にやってる不動産屋がかわいそうですし、不公平な気がします。

不動産情報サイトはその地域のおおまかな相場を知るのには使えますし便利ですが、現状あまり情報を鵜呑みにしない方がいいのかも知れません。

今回はたまたま、私にとっての優良物件に出会えたわけですがいつもそうだとは限りません。焦る気持ちも分かりますが、選択肢に「一旦、帰る」を加えると視野が広がると思います。参考になれば幸いです。