中国語が飛び交う日本のラブホテルで調理補助として働いてみたけどほぼワンオペ地獄なんだが。

2020年2月23日ライフ

中国語が飛び交う日本のラブホテルで調理補助として働いてみたけどほぼワンオペ地獄なんだが。

ラブホテル

職場は駅近のホテル街。近隣にはラブホテルが立ち並び、昼と夜で違う顔を見せる。私はここで約4ヶ月間お世話になった。

私は近所に住んでいたこともあり近くのラブホテルでアルバイトをしてみることにした。面接は店長との対面で、面接というより面談。いやむしろ、店長の愚痴聞きみたいな感じだった。面接は30分くらいで終わり、最後にいつから働けるかと聞かれたので明日から大丈夫と私は答えた。

私の担当は調理補助で客のオーダーに合わせて、ドリンクや軽い軽食を作ることになった。作り方は先輩に教えてもらうことになったのだが、その先輩が中国人の女の子で日本語が片言でわかりづらい。微妙なニュアンスを伝えようと頑張ってくれているのだけれど、そこがまた伝わらない。

こちらもなんとか読み取ろうと頑張るのだけれど、そのうちめんどくさくなってまあ、多分こういうこと言いたいんだろうなと、勝手に憶測で捉えるようになった。だがこれは仕事で一番やってはいけないことだ。注意したい。

ラブホテルの調理補助業務で一番忙しいのが、朝だ。モーニングの予約が入るのだけれど多い日だとオーダーが15分間隔に入れられていることがあり、これが非常に疲れた。

私が働いていたラブホテルの調理補助は洗い場と配膳もセットになっており、作って終わりではないのだ。決められた皿を出しメニューに沿って飯を作り、客の待つ部屋の前まで持っていく。そして客が帰るとルームメイクが皿を引き上げてくるので、それを洗って乾燥させて元の棚に戻す。これを全部一人でやらなければならない。俗にいうワンオペというやつだ。

だが私が働いたラブホテルはこれだけではない。ラブホテルには大概駐車場が付いているが、私が働いていたラブホテルは立体駐車場を完備した場所だった。そのため、お客が駐車する際に誘導をする必要があるのだけれど、それも調理補助が担当することになっていた。それに加えて、時間がある時はリネン類を仕分けし、洗濯機にぶち込んで、洗濯が終わったら乾燥機にぶち込んで、それが終わったら、畳んで、袋詰めをするという作業も任されていた。これで時給850円。まさに鬼。地獄である。

暇な時はもちろんあったし、そんな時はゆっくり洗濯物を畳んだりできるから問題ない。だが飯のオーダーと朝のモーニングと駐車場の誘導がかぶると本当に最悪で、飯を出すのはどんどん遅れるし、洗い場に皿やらコップはガンガン溜まっていくし、受付の女からは飯はまだか飯はまだかと突かれるし、リネン類は山盛りにたまるし、駐車場で客が待っているとフロントから煽られるし、客室清掃係からリネン類の仕分けができてないだろと突かれるし、そのたびに「いや、無理だから。」「ほんと無理だから」と何回言ったかもう忘れた。

唯一の救いは店長が最高だったことだ。本当に素晴らしい方だった。「できないのに無理にやる必要はないし、客を待たせればいいから。待たせたらいいから。」と私がもっともかけて欲しい言葉が分かっているのかと思うくらい的をいた言葉を毎回かけてくれた。多分こんな言葉をかけてくれる人はそんなに多くない。

ラブホテルで働いているといろんなものを目にする。特に私の場合は駐車場の誘導と配膳をやっていたので、客と顔を合わす機会が非常に多かった。私はシフトで昼を担当してので、泊まりの客を見送ることが多かったし、昼に新規で来店する客を誘導することも多かった。

泊まりの客はビジネスマン風で高級車に乗っていることが多かった。一方で昼の客は本当にバラバラで若い女を連れたおっさんとか、中年の男女とか、高級外車を運転する経営者風の女と若い男とか、若い子供連れのカップルとか本当に色々いた。中でも従業員の間で噂されてた常連の客がいた。

その客はマスクマンと呼ばれており、いつもマスクをつけており揚げ物を大量に注文し中年の女を連れてやってくる名物客としてホテル内では知れ渡っていた。その女とは不倫関係で揚げ物をお土産に渡すらしい。正直、客の素性なんて私はどうでもよかったけれど、揚げ物は作るのに時間がかかるし、ずっと目を離すことができないから、忙しい時にその客が来た時は運が悪かったと全てを受け入れた。

私が働いていたラブホテルでは中国人が大量に雇用されていた。日本人4割、中国人6割といった感じだ。時々中国人がみんなで集まって会話している時なんかはとても日本とは思えない空気だった。その場が完全にチャイナになる。悪い噂でもしているのかなとか。悪口言われてるんじゃないだろうかとか、彼らの会話を聞いていると心配になる自分がいた。

中国人と働いて感じたのは、中国人は本当に時間にきっちりしているなと感じたことだ。日本人の感覚というか働き方はよくも悪くも、仕事が残っていたら少し残ってそれを片付けてから帰ることが多いと思うが、彼ら、彼女らは区切りをつけて時間ピッタリに帰宅していった。それに仕事についても、やることはやる。けどそれ以上はしない極めてドライで理にかなった働き方だった。

だけど少し弊害もあった。配膳や駐車場誘導など接客が必要な場面でコミュニケーションエラーが発生した時に、日本人客と揉めることがよくあると店長から聞いた。でもそれでも中国人を入れるのは人手が足りないからと日本人はすぐ辞めてしまうからだと店長はいっていた。店長の苦労が伺えた。色々体験し色々感じたラブホテルバイトだった。もう一度あそこで働きたいかと言われれば、いいえと答えそうだが、ラブホテルはたくさんの人と出会える場所なので面白みはある職場だと私は思う。