【釣り】初めてルアーで魚を釣ったあの日のこと。

2019年4月28日ライフ

【釣り】初めてルアーで魚を釣ったあの日のこと。

もう随分と前になる。それまでルアーで魚が釣れると頭では分かっていたのだけれど、実際に魚を釣り上げるまでは、疑心暗鬼でしかなかった。

私のルアーとの出会いは7,8歳のまだ小学生の全てがキラキラしていた時だったように思う。たまたま連れられて立ち寄った、釣具店で私はルアーと出会うことになる。

ルアーとの出会いは私を変えた。それまで「釣り」と言えば、気持ちの悪い餌か、酷く臭い、手が汚れる餌を使って魚を釣る遊びだという認識だった。それでも、それを差し引いても釣りは面白いものだと私は思っていた。

ふと立ち寄った釣具屋で私が目にしたそれは、私の心を捉えて離さなかった。キラキラと輝き、魚の形やら一体なんだこれはというものまで、多種多様なルアーに私は魅せられた。

私は一緒に来ていた母に頼んで、ルアーを一つ買ってもらった。「針がついているから危ないよ。」となんども言われたが、箱から出して、眺めるのが日課になっていた。

私がルアーで魚を初めて釣り上げることになるのは、それから6年後の中学生まで時を進めなければならない。

私は釣りは好きだったが、釣りを一緒にする友達はいなかった。それに一人で釣りに行こうとまでは思わなかった。

中学生になり全てが変わっていく中で、私は再び釣りに目覚めることになる。釣り好きの友達が現れたのだ。彼が私を釣りの世界に再び引き込んだ。

彼はとても変わっていた。学校でもかなり浮いていて、みんなからよくからかわれていた。でも彼のそんなところを私は気に入った。

彼が釣り好きだと知って、色々話を聞くうちに、一緒に釣りに行ってみようか。ということになった。

待ち合わせをして、釣り場に到着した。彼は自分の釣り道具セットを持っていて、とても本格的に見えた。それがとても私にはかっこよく見えた。

実際の釣りはというと、彼も私もからっきしで、何も釣れない日々ばかりだったのだけれど、それでも学校終わりに彼と海を眺めて語らうひと時は、私の心を癒してくれた。

彼と出会い。私は自分専用の釣り道具セットを持つまでになった。ルアーでの釣果は依然として無いままなのだが、それでもエサ釣りで魚を釣ることが出来ていたので割と満足はしていた。

ある日、少し趣向を変えて、川の河口に行ってみよう。ということになった。同じ釣りでも場所が変わると全然違って、海と同じようにやっても魚は釣れなかった。

餌を使って魚を狙っていたものの、思うように反応が無いため、ルアーでも投げて遊ぼうかということになった。気がつけば太陽が沈みかけていた。夕焼けがあたりを照らし、橋脚から長い影が水面を覆っていた。

私は橋脚の影や川岸の淀みに向かってルアーをせっせと投げ入れた。なぜそこにルアーを投げ入れようと思ったかは、わからない。けれど、直感的に他の場所よりもそこが釣れそうな気配がしていたことだけは、今でもはっきりと覚えている。

突然、これまで感じたことの無い重みが、竿を通して私に伝わった。竿がギュンと曲がり、グン、グンと勢いよく何かがルアーを引っ張る。心臓が飛び出しそうだった。冷静になることは出来なかった。

竿をしっかり持ち、リールを巻いた。気がつけば、大きな魚が足元までやってきていた。私はゆっくりと魚を引き上た。

私は魚を自慢するために家に持ち帰った。みんな大きな魚にとても驚いていた。料理できるかと尋ねると、「みっちゃん。それは猫またぎだよ。美味しくない。」そう言われた。

猫もまたいで通るくらいまずい。ということで、私が釣り上げた魚は猫またぎと呼ばれている。・・・らしい。

私はこの日、ルアーで魚が釣れるということを肌で感じ、何者にも変えがたい貴重な経験をした。たぶんずっと忘れない。